ブログ|日本歯科医療人育成協会®

入れ歯が痛い!

先日来院された新患の男性70歳。

 

上顎両側第二小臼歯から後方の義歯を装着。


他院で先月作製されたそうですが
痛くて噛めないとの主訴でした。
何度か症状を訴えたけれども
「問題はない」との診断を受け
それでも、痛いので何とかしてほしいとのこと。

 

とても立派な義歯で
咬合のバランスも良いとの院長の診断です。
つまり、再製する必要はないとのこと。

 

では・・・何が問題なのか?

まず、この方は糖尿病と高血圧症の持病があり
10年に及ぶ服薬歴があり、
唾液の分泌が著しく減少。
運動唾液の分泌量を測定するまでもなく
お口を開けて頂いて数秒で粘膜が乾いてきます。

 

唾液は
湿潤作用によって粘膜を保護したり
補綴修復物を馴染みやすくします。

極端に唾液分泌量が少ない場合
義歯はなじまず、痛みを感じます。

ここでは、口腔内を潤す保湿剤を使用します。

 

そして、もう一つの問題は
就寝時には義歯を外しておくように指示されたこと。

歯周病が中程度に進行しているために
就寝時の咬合によって残存歯が少し移動してしまいます。

そのため、起床して義歯を装着した時に
歯の痛みを感じてしまう。

 

ここで、義歯をきれいに洗浄して
就寝時には装着してもらうことを提案しました。

「義歯が痛くて噛めない」

その原因を理解していただき
対応することで
義歯を再製することもなく
快適に咀嚼できるようになりました。

 

ホッとしましたよ・・・