ブログ|日本歯科医療人育成協会®

歯科医療界から全身の健康を!勇気をもって・・・

6年ぶりにお逢いした60歳近い男性患者さん。


30分間アポのところ15分遅刻。
(私:猛ダッシュでやらなきゃ!)


私「どうですか?お元気ですか?」
患「いや・・・もう歳。死に向かっています」
(私:1日30本喫煙、糖尿病HA1c7.5を確認
 口腔内:残存歯9本・インプラント歯1本
   義歯を頑なに拒否・前歯著しく咬耗)


私「で、煙草はやめたのですか?」
患「いや・・・やめられません」
私「糖尿病はどうですか?」
患「ちゃんと治療しています」
私「では、食事制限も運動もできていますね?!」
 (私:日本酒と肉じゃがが好きと記録を確認)
患「いや、してません。毎晩お酒も呑んでます。
  でも、薬はきちんと飲んでいます」
私「糖尿病の薬はインスリンではないですよ。
  血糖をコントロールするホルモンである
  インスリンは経口摂取できないので注射です。
  飲む薬はインスリンの働きを助けたり
  糖の吸収を遅らせたりしますが
  インスリンそのものに代わるものではありませんよ」
患「・・・」
私「糖尿病の何が怖いか?というと
  血管がボロボロになるからです。
  つまり全身の血管系の病気の原因。
  そして、様々な臓器に影響を及ぼします。
  歯周病も悪化します」
患「・・・」
私「いいですか、よ~く聞いてください。
  あなたはこれからの人生、どうしたいのですか?
  6年前にあなたに同じ話をしました。
  そして、この6年間に3本の歯を失いました。
  だけど、あなたは何も変わっていません」

 

嫌われてもいい。
「口うるさい婆あの衛生士」と言われてもいい。

 

歯科医院を出て、帰る道すがら、ちょっと思い出してくだされば。
煙草1本に火を付けようとしたときに、ちょっと思い出してくだされば。
日本酒のグラス片手に肉じゃがをつまもうとしたときに
ちょっと思い出してくだされば。

 

『習慣』も『好きなもの』も手放すのは難しい。

だけど、『病気』や『寝たきり』は避けたいはず。